卓上旋盤改造

皆さんお久しぶりです。
カメラを見ている人はご存じかと思いますが、現在RURはNHKの書類に向け、全力で作業中です。
しかし、NHKが始まってしまうと戦略の問題上、なかなか書けるネタがなくなってきます。
そんなわけで、今日は工作機械ネタで書いてみようかと思います。


RURには様々な工作機械がありますが、その中でも最大の機械が卓上旋盤FL-400Eです。
FL-400E
100kgを軽く超える卓上旋盤の中では比較的大型の機械ですが、トン単位の重量がある本物の旋盤と比べると非常に小型の部類です。
FL-400Eは優秀な機械ですが、芯間はあまり変わらないのに10倍以上の重量がある機械に比べるといろいろな機能が省略されていたり、簡易化されていたりします。
その中で最も不便な物の一つが、芯押し台の固定です。
芯押し台は、主にドリルを取り付けてワークに穴を空けるために使うのですが、ドリルの長さに応じて左右に移動させる必要があります。
芯押し台
しかし、この芯押し台を固定するために通常の旋盤ではレバーを操作するだけでいいのですが、この旋盤ではここが簡易化されており、ナットを締めることにより固定するようになっています。
面倒くせえ!
非常に頻繁に操作する部位だけに、いちいちスパナを取り出してナットを締めたりゆるめたりするのは非常に不便です。
そこで、通常の旋盤と同様、レバー操作で芯押し台をロックできるよう、改造してみました。


cam_tailstock
今までナットを締めることで引っ張っていたボルトを、カムによって引く方式に変更しました。
銀色の円筒の中にカムが入っており、ハンドルを回転させるとボルトが引っ張られ、芯押し台がロックされます。
インターネットにいくつか作例があったのでそのあたりを参考に作ったのですが、旋盤本体に穴を空けたりもしなくてはならないので、結構心臓に悪い作業も多かったです。
drilling

でも、作業性は抜群ですね。
もっと早くやっておけば良かった……けどまあ、後輩のためにと言うことで。
ボルトによる締め付けと比べると若干固定力が弱い気がしなくもないですが、まあ、必要充分の力は得られているのでよしとしましょう。


多少手間はかかりますが、それを補ってあまりある便利さなので、同系列の旋盤を使っている人にはお勧めの改造です。


溝部