スーパー旋盤タイム

さて、知ロボも本格的に動くマシンも出てきたところですが、レスコンの方も粛々と作業を進めています。
このレスコンという大会、アクチュエータの数が多くなる割に機構を詰め込まなければならず、市販の部品では大きすぎて話にならない場所が多々あります。
特に、軸周りの部品は、かなりの物が自作部品になり、必然的に旋盤作業が必要となります。
形状はもちろんのこと、ドリルでは一般的に100分台の寸法、真円度は得られません。
↓こんな感じで、旋盤でいろいろな部品を作っています。旋盤加工部品群


 


 


 


 


 


 


 


一見ただのアルミ削り出しに見えても、実は複数の部品で構成されており、中にベアリングを仕込んであったり、真鍮で軸を別に作って仕込んであったりします。
また、アルミ同士は親和性が高く、摩擦が大きいため、心材は強度のあるアルミで、接触面のみアクリルで包み込むような形状の部品もあります。
このような作業の時に重要になるのが「はめあい」です。
簡単に言えば、穴に軸を通すときの寸法の関係といった感じで、抜くのも入れるのも簡単、がたつきはしないが抜けないほどではない、一度押し込めばはめ込めばそれだけで固定できるが部品がゆがむほどきつくもない、熱で膨張させてはめ込んで、部品を破壊しないと外せない……などいろいろなはめあいがあります。
いずれにせよ、部品の寸法をある範囲内に収めなければならないのですが、これは部品自体の寸法が小さくなれば小さくなるほど厳しい寸法精度が要求されます。
たとえば、同じ0.1mmでも、100mmの部品の0.1mmと、10mmの部品の0.1mmは意味が違うのはわかると思います。
こういうのを公差って言うのですが、これに関してはいつか話してみたいと思います。
写真くらいの大きさの部品で、ベアリングをきれいにはめ込もうとすると、当たり前のように100分の数mmの加工が要求され、同時に表面粗さなども要求されてきます。
100分の数mmずれただけでベアリングが抜けなくなったり、圧入したらゆがんで回らなくなったり、逆にがたがたになってしまったり、アクリルの部品に差し込んだら大きすぎてアクリル側が割れたり……などと、実に神経を使います。
数十分かけて加工してきて、仕上げ段階で削りすぎたりしてしまうと、非常に鬱になります。
しかも、このくらいの寸法になると、外径はともかく内径は正確に測れず、現物あわせで加工するのでハンドルの目盛りはほとんど役に立ちませんが、やっているうちになんとなーく感覚がつかめてきます。
なんだか、ここ数週間ずっと旋盤ばかり回しているような……。
手には切削油と切り子のにおいが染みついて取れません……どことなく黒いし。
最近あんまり寝てませんが、まあ、心はともかく体はまだ若いようで、何とかなってます。
来週までには旋盤加工を終えたいですね……というか、睡眠時間がほしい。


溝部