ABU2006感想その2 ~ベトナム戦で何があったのか(前編)~

今回の大会で発生した唯一の致命的アクシデント。それは、床がすべるということでした。前日の試走で最初の2回、飛脚が失敗したのはそのためです。床材そのものは日本の大会でも使用されていたものと同じで、我々が自分の学校の体育館に広げて練習していたものとも同じです。


ただ、この床材は使い込むと表面が滑らかになって滑りやすくなるという性質があります(別にこの床材に限らずなんでもそうですが。知ロボもマウスも床って結構すべるんです。)。我々が練習で使っていたものも、いつもロボットが走る部分はすべすべになっていました。そのため、ある程度滑りやすくなっていることを考慮した設計およびスピードの設定をしていました。


ところが、クアラルンプールの会場に敷かれていたものは我々の想像をはるかに超えるすべりやすさでした。おそらく最初は新品を敷いたはずですが、1日中ロボットが走っているとそうなってくるのでしょう。国内大会ではそうでもなかったはずですが、いかにも床をすべすべにしそうな高グリップタイヤで国内大会とは比較にならないハイパワーハイスピードマシンが何台もいたことおよび、掃除がほとんどされなかったことが原因だと思われます。


おそらくタイヤを使った急加速急減速を一番激しくやっていたのが飛脚だったと思いますが、その分スリップに対して非常に弱いという弱点を抱えていました。滑ってしまうと、位置決めが困難になるばかりでなく、アームがうまく伸びないので、試合本番ではスピードを落とすしかありませんでした。


予選の2試合はそれでもよかったのですが、決勝のベトナム戦はコンマ1秒が試合の結果を左右する、スピードが極めて重要な試合でした。そこで、予選と同じ戦い方では勝てないと判断しました。


 


kita

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