どうも門倉です。以下、前回のオペアンプの記事の続きです。
信号を増幅する上で、増幅率200とかのトランジスタの増幅回路ですら安定しないのに、10000倍の増幅なんてのが上手く行くはずありません。そこで、下図の様な増幅回路(非反転増幅回路)を作成します。
ポイントは、抵抗を介してoutと-が繋がっている点です。-と+の差は増幅されてoutに現れますが、抵抗を介して-に繋がっているため以下の流れが発生します。
+の電位が上昇する→outも上昇→(抵抗で繋がっているので)-も上昇→+と-の電位差が減るのでoutも減少する
これを繰り返すことで安定した出力が現れるのです。このように反応を抑える方向にフィードバックを掛ける(関連付ける)ことをネガティブフィードバックと呼びます。
また、僅かな+と-の電位差でも大きく出力に現れますので例えばA=10000としてoutが1Vの時、+と-電位差VはV=1/10000=0.1[mV]と微々たるものです。そこで、+と-はショートしているものとみなそうという考えをイマジナリーショートと呼びます。このイマジナリーショートを利用して回路を書き直すとこのようになります。
この回路においてinはoutをR1、R2で分圧したものと考える事が出来ます。ということで、
In = out × R1/(R1+R2)
となります。これを増幅度をA=out/inと置くと
A = out/in = 1 + R2/R1 となります。
オペアンプの増幅回路はこの様にして動作するのです。ロボコンで使い道のありそうな増幅回路として、非反転増幅回路の他に差動増幅回路、反転増幅回路がありますが、回路によってはオペアンプに負電源が必要なものがありますので気をつけて下さい。