オペアンプを使おう_第3回インピーダンス

どうも門倉です。オペアンプの続きです。今回はオペアンプのインピーダンスについてやってみます。

 

オペアンプには入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いという特性があります。

インピーダンスについて簡単に(語弊を恐れずに)説明します。中学高校で電池の内部抵抗を少し勉強すると思いますが、インピーダンスとはそれに近いです。入力インピーダンスとは入力部分に付いた抵抗のことで、出力インピーダンスとは出力端子に付いた抵抗のことです。

オペアンプの入力(+、-)には∞Ωの抵抗が付いており、出力には0Ωの抵抗がついていると考えて下さい。

これがなぜメリットになるのかですが、下図の様に出力に強い負荷がかかっている(小さな抵抗がついている)状態を考えます。

 

皆さんは、バッテリーをモータに繋ぐとバッテリーの電圧が下がった経験があると思います。(やったことなければ乾電池と130モータで試すとよくわかります)これと同じことが発生します。流れた電流×出力部分に隠れている抵抗分(出力インピーダンス)出力の電圧が下がってしまうのです。これでは正しい信号が出力されません。

入力インピーダンスは、下図の様に信号への影響を減らすために限りなく大きい方がいいのです。マイコンの入力ピンもインピーダンスが高いので、AD変換ピンに繋いだといってセンサの値が変わったりはしません。

 

トランジスタの簡単な増幅回路を下図に示します。この回路における入力インピーダンスは1kΩ、出力インピーダンスは100Ωとなります。

opamp3

 

入力インピーダンスが結構低いので、弱い(出力インピーダンスが高い)信号を入力すると信号が減衰する可能性があります。

それに比べて、前回の非反転増幅回路の入力インピーダンスは数百kΩ~数百MΩと極めて高く、出力インピーダンスも数十Ω以下と先程の回路に比べ極めて低くなります。

 

 

ボルテージフォロア回路

時折、下図の様な回路を見ることがあります。

opamp4

これはボルテージフォロア回路と呼ばれる回路で、R2 = 0、R1 = ∞の非反転増幅回路とみなすことが出来ます。A = 1+0/∞ = 1 つまり増幅度が1の増幅回路というよくわからない回路になります。ここで先ほどのインピーダンスの話が生きてきます。この回路は入力インピーダンスが極めて高く出力インピーダンスが極めて低く、増幅をしない回路ということです。

つまりボルテージフォロア回路はインピーダンスの都合が悪い回路同士のバッファとして活躍します。

 

続きはまた次回