かわさき報告書  くにm&ウリーちーむ

かわさき報告書  くにm&ウリーちーむ

 マシン名 UNI ( うに )

 製作者 足回り 國見

     アーム 瓜本

 

 

 

 

 

 

足機構について

 このマシンの最大の特徴である全方向移動を生み出す.写真のようにX方向Y方向それぞれに移動する足がついており,動力の伝わる方向と垂直の方向には試験管用のゴム栓を使ったローラがついている.これでX方向に動くときはY方向の足についたローラーが従   輪,Y方向に動く時はX方向の足についたローラーが従輪となる.さらには両方向の足を同時に動かせば斜め移動も可能となる.

 当初は各方向につき380モータ二つを使用する予定だったが,重量の関係でモータを一つにし,シャフトでつないで同期させることにした.

 また,サイズの都合上上から見ると正方形ではなく長方形になっている.今思えば倒れこみという方法もあったわけだが.

 足の駆動についてはオーソドックスなクランクを用いた.単に工場にフライスをやりに行くの時間がなかったというのもあるが.

 

 

アーム機構について

 このマシンは実は向きが変わらない.つまりマシンはずっと同じ方向を向いたまま移動するのである.そこでおととしと同じくアームの旋回機構を採用した.アームをほぼ360°回転させれば前方向にアームのついているマシンよりむしろ機動性が優れるのではないかと考えた.

 アームの上下については540モータでパワー重視にした.

 

電装系

 まったく持ってスペースが足りず,スピコン関係をすべてアームのターレットの上に詰め込んだ.バッテリーはさすがに乗り切らず,足の上にガムテ止めとなった.もともとターレットの上と下をあまりたくさんのケーブルでつなぎたくなかったので予定通りといえば予定通りだがいかんせん見てくれが最悪だった.

 

 

試合結果 

 予選トーナメント

一回戦

   相手チームの棄権により不戦勝

  二回戦

   操作に慣れずもたもたしているところを突かれてひっくり返される.

→敗者復活戦二回戦へ

 

敗者復活戦

  二回戦

   控え室でバッテリー数本を空にして練習したおかげでだいぶ操作に慣れた.一度投げたかに見えたが自分も倒れてしまい,一瞬審判も迷ったようだが仕切直し.再開後も一回目と似たような展開となったが,アームの上下を間違える痛恨のミスでバランスを崩しているところを返されて横転.アームの力で復帰したものの「側面が完全に設置したために一本」とされ敗退.

 

 

感想

     自分のマシンについて

全方向移動が実現できて完成度的には満足だが,NHK後ということを抜きにしてもマシンの完成が遅すぎ,操縦練習をする時間が足りずマシンを持て余してしまった.また,マシン高も重心も非常に高くバランスが悪かった.

最大の原因は足回りの設計に手間取ってしまいなかなか製作に移れなかったことだ.また足の大きさを小さくしたりすればスペース的にも余裕が持てたと思うし,足の軌道計算もきちんとすればもっと高スペックなマシンになり得たと思う.

     RUR各チームについて

一年生:設計期間が長すぎるかと.NHK後に始めた2・3年と作業が平行しているのはありえんだろう.最後の2週間の追い込みの力が最初からあればもっと早くもっとよいマシンができていたのではなかろうか.それでも初めてにしてまともに戦えるマシンを作り上げたことはすばらしい.

二年生:ダブルモータにしてもグリップがなければパワーは出ません.もっとスピード上げてもよかったような気もする.最近のかわさきはパワーよりも機動性です.

     今回のかわさきについて

倒れこみ・展開パターンのマシンがおととしより圧倒的に増えた.おととしはまだ「最初から接地している」マシンが多く見られ,そのなかで機構が奇抜なマシンが目を引いて面白かったが,今回は多くが見た目似たり寄ったりで正直味気なかった.アイデアよりも操縦技術の差が勝敗につながってきているように思える.もちろん操縦技術も重要ではあるが.

だんだん新人にはハードな大会になってきている.予選トーナメントぐらいは新人と常連組を分けてはどうかとも思う.

ただやはり社会人から高校生までが集まる大会で,得るものも非常に多い.製作者同士の交流や技術情報の交換があるのはとてもためになる.そういう意味からも機械屋の技術向上の場としてかわさきにはぜひ参加し続けてもらいたい.

 

 

 

 

 

 

 

アーム機構製作についての報告(瓜本)

 今回、かわさきの手伝いとして、アーム機構の製作を担当させてもらった。

  アームの旋回機構は足機構の土台に大きいギアを固定、アーム機構の土台に小さいギアを取り付けて、それらを噛み合わせ、両方の土台に軸を通してアーム機構の土台ごと旋回させるという構造である。アームは棒アームにギアをつけただけで、全体的にシンプルな構造になっている。シンプルなので製作は簡単なはずなのだが、自分の技術が未熟な為、製作にけっこうな時間がかかった上に、無駄な所も多くなってしまい、非常に多くの反省点を残す事となってしまった。中でも大きな反省点を二つ挙げると、まず一つ目は設計図を書かずに製作してしまったことである。元々、設計技術など無く、そもそも何から手をつければ良いかすら分からなかったので、行き当たりばったりに製作を進めてしまったのだが、後々になって部品を変更したりする時に正確な寸法が取れていない為、パーツの変更が面倒になってしまった。手書きででも簡単な設計図を作るべきだったと思う。二つ目は製作知識の不足である。材料の強度や重量を知らない為に、重い材料で製作してしまったり、機構にしても、先輩や部員に教えてもらわなかったら分からなかったものが多々あり、製作が遅くなってしまった。また、バランスが悪かったり、必要なパーツがついていなかったりと、もっと良く作れたのでは無いかと思える場所も多くあった。今回の製作で以前よりは知識が増えたが、まだまだ知らないことが多すぎるので学んでいく必要があると感じた。

  かわさきに参加した感想としては、反省点も多かったが非常に楽しかった。できれば来年の大会に出場して、自分が少しでも納得できるようなマシンを作りたいと思う。