NHK2004 手動マシン
手動マシン
クミニ
機械関係
動作
手動マシンの動作は,中央と二段重ねの橋パーツ(中央がだめな場合は中・小パーツ)を一度に全部回収し,カササギの橋を完成させる.
構造
手動マシンの特徴は「大きな車輪」と「スピード」.特にスピードは,単に走行速度が速いだけでなく,取り込みからカササギの橋の完成までの一連の動作についての速さを追求したマシン.
手動マシンの機械的構成は大まかに
・ フレーム
・ 足回り
・ 取り込み
・ 射出
の四つに分けられる.
1.
フレーム
手動マシンに割り振られた重量は10㎏.この制限の下で,後述する車輪や射出バーのゴムなどの高い負荷に耐えられるフレームでなくてはならない.その結果,必然的に部材は足回りとその周辺に集中し,他の部分は必要最低限まで減らすかアングルなどの軽い材料を用いた.
又,作戦上大型の車輪に挟まれるように三つの橋パーツを収容せねばならず(下図),二つの車輪を軸でつなぐことが不可能だったのも,足回り周辺の強化に追い討ちを掛けた.
2.
足回り
車輪は提出した書類から「大型」でなくてはならず,かつ軽いものでなくてはならなかった.大きさはギリギリまでつめて最終的には直径400㎜.北君が数度の試作の末に,アルミ板で発泡スチロールを挟み,スポークは12㎜アングル4本という,軽量かつ高強度の車輪を作り上げた.
動力はスピードとパワーを併せ持たせるためにマブチ540モータを片輪2発,計4発搭載した.
モータからの動力は車輪より一回り小さい木のリングにフレキラックを巻きつけた即席のギアによって伝えられる.
(注:ご存知の通りこの辺は北君の方が詳しいです)
3.
取り込み
橋パーツの取り込み部分は,「走行スピードをなるべく殺さずに,勢いとパワーを活かして取り込む」というコンセプトの下に設計された.
マシンが橋パーツに正面から当たると,自動的に先端にグリップのついたバーが橋パーツを上に持ち上げ,そのすきまにスロープが入り込む.後はマシンの前進とローラー(マブチ380・ギアヘッド1:200)によって取り込む.これにより橋パーツに正面からアプローチして前進するだけで取り込みが可能となった.
4.
射出
取り込んだ橋パーツを速やかに排出し橋に設置する方法としてゴムによる打ち出しが考え出された.要領はパチンコとまったく同じである.
ゴムはごく普通の輪ゴムを強いもので計144本,弱いもので計96本編みこんで作った.わざわざ多量の輪ゴムを使用した理由は,ゴムが切れることへの対策である.ゴムを射出のためにフレームにセットすると,どうしても部材とこすれて劣化し,切れやすくなる.あるいは切れる.太いゴムを少数で使用した場合,一本ゴムが切れただけで最悪そのバーはパーツを打ち出す威力を失って使えなくなる.しかし小さいゴムを多量に編みこんだ場合は,部材にこすれて一度に切れるゴムはせいぜい数本であり,バーのパワーに及ぼす影響はわずかですみ,引き続きそのバーを使用することができる.
射出は,バーを固定しているすずらんテープをニクロム線で焼き切ることで行う.バーは予備を含めて4本.また,取り込んだパーツの下にローラーをつけて滑りやすくしてあり,もしバーが焼き切れないなどのアクシデントに見舞われても,マシンに急制動をかけ,慣性で排出することもできる.