ミルフイユ
ミルフイユ
マシン概要
マシン名(英名) |
ミルフイユ(millefeuille) |
マシンサイズ |
82×94×110(mm) |
CPU |
H8 3664N |
モーター |
日本サーボ ステッピングモーター KH39FM2801 |
重量 |
760(g) |
製作費用 |
約22000(円) |
製作期間 |
6週間(本体3週間、ソフト3週間) |
競技結果 |
0’42″351 |
バッテリー |
7.2V |
マシンの動作説明
一区画ごとに壁センサで壁を読み取り、迷路情報を記憶していきます。最短経路で進めなくなると現在までの壁情報を考慮して最短経路を計算します。これを繰り返してゴールに向かいます。この方法でゴールした後は同じ方法でスタート地点に向かいます。本走行は直線のスピードを上げるだけという粗末なものになっています。
最短経路探索を簡単に説明しますと、まずゴール区画を0とし進入する方向を決めます、その区画に隣接していてその方向に直進できる区画を+1、それ以外の方向から進入できる区画を+2とし、次に小さい数値の入った区画から順にゴール区画と同様な手順を現在区画に数値が入るまで繰り返します。これをゴールまで繰り返します。ちなみに余計なことですが、このマシンには方向マップというものが存在し最短経路算出時点で方向をその区画に代入して、本走行はその区画の方向マップにしたがって動作をしています。
本番では探索モード、本走行モードしか使用していませんがスラローム探索モード、センサ値調整モード、壁検知動作確認用モード、左手法モード、基本動作確認用モード、検索迷路送信モード、直進速度調整モード、ゴール方向優先順位変更モード、バッテリ確認モードなどいろいろと遊べるようにしています。
また無駄な機能ですが後部にマイクロステップ切り替えスイッチが二つ、マイクロステップOFFで速度が8倍に上がるというわけの分からないものが存在しています(ちなみに移動距離も8倍長くなるのでまったく使えません)。
マシン製作段階の罠
マイクロマウス初出場ということもあり目標をゴール到達に設定し製作しました。本体は当初80×80×80(mm)の立方体になるように設計しました。これは昨年友人が製作したマシンが円を基調に作られたものであったため、それに対して立方体を基調に作ろうという安易な発想から生まれたものです。車輪に通常使用されているものより大径なものを用いたことによる設計ミスによりサイズが当初より大きくなってしまいました。またマシンの底板ですが今年のNHK大学ロボコンで使用したノーマルギフトのあまり材を使用しています。底板にはキャスターをつける予定はありませんでしたが設計不足により地面から離れていたため急遽キャスターをつけることにしました。すると測ったかのようにぴったりとおさまりました。今でもあの奇跡がなければ動いてないのではと思います。
回路の製作ですがこれは日頃思っている通り「1回路は1日で仕上げる(1日では無理でもできるだけ早く)」と「配線は出来るだけ使いたくない(使うなら赤いやつ)」の2原則を守りました。すると回路製作にまったくといっていいほど詰まることなくプログラムに移ることが出来ました。回路自体はお世辞にもきれいとは言いがたいですが完璧に動作するので手先が不器用でもここまではできることの証明になるかと。
プログラムは探索方法を中心に時間をかけました。壁情報保存にミスがあり2週間ほど時間を無駄に使ってしまったため、本走行モードに手を加えることが出来ませんでした。それでも夏期休暇中に下調べを十分していたこともありなんとか大会に出場できるところまで完成度を上げることが出来ました。実は探索中に何らかのトラブルが起き止めると再探査の一回目だけ誤作動するというバグは取れませんでしたが本番でトラブルがなかったため助かりました。
今後への課題
今回は非常に稀な個人参加の大会で、しかも自費による製作という一般の活動から離れたものであったため次のNHKロボコンへ向けての個人の技量を向上させるための大会だと位置づけていました。しかしいざ始めてみれば初めての個人参加ということもありなれない本体作りなど苦戦した面が多々ありました。ただ完全に自費かつ一人なので責任がなく楽な面もありました。試走会に出たままのプログラムで徹夜もせず、一緒に参加したマシンがともに動き、初めて大会後にいい気分で帰宅しました。しかし個人参加では得られない何かが足りません。やはり次のNHKロボコンが勝負です。「動かないマシンは絶対つくらない」という目標を前NHKロボコンで打ち砕かれたためのリベンジを果たすためにもいい機会だったと感じています。
次回大会へ向けて、着々と細かいところをつめていくつもりです。まずは本走行の高速化からでしょうか。もしかするとクリッパにも出たくなるかもしれません。新しい円形のマシンを作るかもしれません。マイクロマウスはこつこつとやる大会みたいですから。