JLCPCB支援体験談

 JLCPCB(https://jlcpcb.com/JPV )という基板製造メーカーをご存じでしょうか?JLCPCBは年間基板製造枚数は600万枚を超える中国の基板製造メーカーです。基板だけでなく3Dプリントサービスなんかもやってたりします。
 NHK学生ロボコン2023でJLCPCB様よりPCBAサービスのご支援をいただいたので、今回はその体験談を書きたいと思います。実際にNHK学生ロボコン2023ではJLCPCB様よりご支援いただいた基板を使用し、弊部史上2番目の成績となる準優勝を果たすことができました。代表的な基板2つがどんな基板かを軽く紹介したのち、それらを通じてJLCPCB様が他の基板製造メーカーと比べて素晴らしい点、PCBAサービスを利用するとどういったメリットがあるのかに重点を置いて話していきたいと思います。

 まず1つ目の基板はメイン制御基板です。近年のNHK学生ロボコンで主流となっているROS(Robot Operating System)を用いた自己位置推定をするためには計測輪のエンコーダやIMUの値を高速でPCに転送する必要があります。このためUSB HSを使用したメイン制御基板の開発を行いました。最大480Mbpsでメイン制御基板とPC間の通信が可能となります。また、各基板への制御電源の供給もこのメイン制御基板を行っているので電源回路も堅牢なものとなっており電子ヒューズから最大6.63Aの供給が可能かつ過電流、過電圧、低電圧、短絡検知、サーマルシャットダウンなど制御電源の安全性を確保するものとなっています。ここでは書ききれませんが、その他にも電源回路の工夫点は多くあります。また、メイン制御基板とサブの制御基板との通信も可能となっています。下図は3D CADです。

 もう1つの基板はODriveというBLDCMDのシールド型の拡張基板です。弊部の環境での使用が可能になるように拡張基板を作成しました。具体的には部の環境でのCAN通信をできるようにする、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダ、インタラプタの使用が可能になるように拡張基板を作成しました。下図は3DCADです。


JLCPCB様のPCBA支援を通じてJLCPCB様が他の基板製造メーカーと比べて素晴らしい点とPCBAサービスのありがたいと感じた点を述べさせていただきます。

・基板製造費が安い
基板製造は最安でなんと2ドルから行えます。他社と比べて圧倒的な安さです。PCBAだとしても設計した基板によりますが、かなり安く製造していただけます。

・基板完成までが早い
JLCPCB様では通常の特殊加工のない2層基板でしたら2日で完成、7.1ドル追加で支払えばなんと1日で基板を完成してくれます。アセンブリは1日から3日という早さです。早く基板の動作試験が行えることで設計ミスをしていた場合でも大会までに再設計する時間をとることができとても助かりました

・基板実装の時間が圧倒的に少なくなる。
弊部では基本的に表面実装部品をPCBAサービスにお願いをし、リード部品は自分たちで手実装をするという形で利用させていただいているのですが、単純に表面実装部品を実装する時間が削減でき他の基板の設計などに時間を割く時間が多くなります

・部品点数が多い基板の設計も可能になる
実装が困難という点から今までは部品点数が多い基板の設計は避けていましたがPCBAサービスを利用することで可能となりました。先ほどのメイン制御基板の部品点数はなんと351です。ODriveの拡張基板もメイン制御基板に比べれば部品点数は少ないですが表面実装部品の実装が終わっているとやはり他のことに時間を割けます。こうしたことが可能なのもJLCPCB様の支援のおかげです

・実装精度の向上
自分たちで実装していた時と比べ圧倒的に実装精度は向上し、半田不良による動作不良の発生率も劇的に下がりました

・4層基板も手頃に頼める
特殊加工となるため通常は4層基板はかなり高額となりますが、JLCPCB様では通常のビルドタイムではなんと2層基板と4層基板で価格は5ドルしか変化しません。先ほどのメイン制御基板は配線も煩雑なため4層基板となっています。今までは価格の関係上ためらっていた4層基板もJLCPCB様のおかげで可能となりました

他にもここにあげきれないくらいの素晴らしい点ばかりなので、是非JLCPCB様での基板設計を検討してみてください 
https://jlcpcb.com/JPV

 

 

 

 

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